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2005年04月19日
このサイトについて
「鈴木先生、交通事故、わかりますか?」
きっかけは、弁護士からのこんな電話でした。
こんにちは、技術士の鈴木裕です。
このページは、事故の原因を解き明かすこと を目的にしています。
「事故の真相を知りたい」、と言う人なら、被害者側、加害者側、弁護士、保険会社、どなたでもお役に立つことができます。
事故は純粋に自然科学の法則に従って起きます。
自然科学の法則だけが、技術士にとっての唯一の法なのです。
なぜ、私がこの仕事をしているか、というと、
世の中には、とんでもないインチキ鑑定がまかりとおっているからです。
冒頭の、弁護士からの電話の内容ですが…
話を聞いてみると、「ある高齢の方が、横断歩道を歩行中に自動車にはねられ、意識不明の重態で病院に運ばれた。意識は取り戻したものの、事故の前後の記憶が全くない。脳に障害も残っており、自営業をしているその方は生活が困窮している。」と言うことでした。
加害者側の主張は、「被害者は、道端から飛び出してきて、避けようがなかった。こちらの信号は青だった。速度は法定速度以内だった。」と言うものです。
お気の毒な話です。が、これだけの情報では、何が真実かはまだわかりません。技術士としては、まず真実を確かめる必要があります。
「事故の実況見分調書や医師の診断書などできるだけ詳しい資料を送ってください」とお願いしました。
資料を見て、これはとんでもないと思ったのです。
加害者が嘘をついているか都合よく思い違いをしていることは、すぐにわかりました。
被害者の頭部の受傷が脳の左半分に集中していることから、被害者は左側からぶつけられたことは明らかです。つまり、被害者はセンターライン側から歩いていて跳ねられたのです。「飛び出してこられた」と言うのは、これで誤りだとわかります。
そのほかにも、窓ガラスへの頭部の当たった高さ、被害者の跳ね飛ばされた距離、ブレーキ痕などから総合して、法定速度を明らかに上回る速度で跳ねたこともわかりました。
それでも、加害者側保険会社の弁護士は、被害者の過失を主張します。資格もないような怪しげな鑑定人まで連れてくる始末です。被害者の記憶がないのをいいことに、言いたい放題なのです。
私はこのような不正を断じて許しません。
これは、子供のころからの両親の教育のせいだと思います。「自分が正しいと思ったら徹底的に戦え」、これが我が家の家訓です。
このおかげでずいぶん損もしてきました。
実際、こんな相談をしている時間に、自分の会社の仕事をしたほうがよほど儲かるのです。
それでも、これは死んだ父親のDNAです。しかたありません。
こんな不正がある、と言うことを知ってしまったからにはほうっておくわけには行きません。「お前のようなものでも、役に立つことがある。お前の力を必要としている人がいる。何故助けないのか?」と言う父の声が聞こえてくるのです。
世の中には、とんでもないインチキ鑑定がまかりとおっています。
衝突速度やブレーキ痕からの速度の意図的な計算間違いなどは日常茶飯事です。
ひどい場合には、「被害者は予め車の下にいた」などという奇想天外な主張もありました。
また、ひどい不正改造車であるのに、欠陥車だと主張する方もいらっしゃいました。
そのような不正は私のやる気に火をつけてくれます。
ですから、もし、あなたが、都合の良い鑑定書が欲しい、などの理由で鑑定人をお探しなら、他を当たってください。
本当にお困りの方だけ、中にお進み下さい。不正は、私が必ず暴いてみせます。

(社)日本技術士会正会員
(社)自動車技術会正会員
近畿大学 理工学部 非常勤講師
投稿者 suzuki : 2005年04月19日 14:35